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資材置場

いまだ作品の形にならぬ文章を一時保管する場です。

プロットの例

「最後の戦い」プロットの例


剣士がさびしい一人暮らしの中で死にかかっていた
病に倒れたのだ

長くはもつまい
今日か、明日か……

ああ、俺の人生は何だったのだ?
剣の腕をひたすら磨き
しかし報われることもなく
名を為すこともできずに死んでいく
俺の一生は、全く無駄なものだった……

やめよう。
考えても詮無きこと。
いまはただ、心残りなく逝こう……

いや
あった!
ひとつだけ、心残りが
あの女 緋女
類まれなる剣士

闘いたい。あの女と
一介の剣士として、全身全霊
己のすべてを込めて

病床から起き上がり、杖をつきながらヴィッシュの家を目指す


剣士の過去について回想

幼い頃から運動の得意な子だった
あるとき、ふらりと村に現れた騎士に見込まれ
侍従となり、剣の手ほどきを受けた
その騎士は達人だったのだ
めきめきと力をつけ
騎士の取り立てで国軍に入った

魔王軍とも戦った
しかし剣の道ひとすじで
人付き合いの悪い彼は、軍の中で嫌われ
ついに退官してしまった

そして後始末人になった
己の剣を一回いくらで売る商売


要領悪くて稼げない



ヴィッシュの家に来たが、あいにくどこそこ村に行っていて不在
ということを、隣のおせっかいおばちゃんから聞く

明日には戻るだろうけど

明日までこの体がもつかどうか……

自分から出向こうと決意する


その村は、第二ベンズバレンの西にあり
徒歩で一日ほどの距離


途中、疲れて動けなくなったり

魔物に出会ったり、

悪い奴に絡まれたりする

その苦難を乗り越え
人々の親切を受けて
しかし、ここに留まっていなさいという好意は袖にして
彼はひたすら歩く
ふらつきながら、杖をつきながら、
しかし止むことなく

夕暮れ時
ついに緋女の元へたどり着いた時には、
満身創痍。死にかかっていた。

ヴィッシュたちは仕事を終えて、戻ってくる途中で剣士に出くわしたのだ


「あれ、お前は」
ヴィッシュが気付く。
「どうしたんだ、こんなところで」

「緋女殿! 真剣勝負を所望する!」
迫力の声

「馬鹿言うな、お前、体が……」
手を差し出してヴィッシュを止める緋女

「いいよ」
「来い」



激しい戦い
緋女さえ怯ませる

ゾッとするヴィッシュとカジュ
まさか、緋女が……苦戦している!?

日が沈む

だが、最後は緋女が勝つ
倒れる剣士
緋女、膝枕をしてやる
日も沈み、薄暮に包まれた穏やかな景色の中で、二人の姿だけが、いやに際立って見えた
さながら教会の壁を飾る、宗教画のように
「楽しかった」「お前、強かったよ」
言葉もなく、息絶える剣士
しかしその死に顔には、にこりと、暖かな笑みが浮かんでいた

彼の生涯で一度足りとも浮かべた試しのない、心からの笑顔であった


おわり