「だいじょっ! ……ぇげっ。ぶ。だよ……。ぼっ。ごぼ。」 どう見ても大丈夫なわけがなかった。 3人連れ立っての山歩きも今朝で3日目を迎え、カジュの疲労はとうに限界を超えていた。目の下に浮き出た隈は普段の百万倍は色濃く、汗にまみれた全身は服のまま水浴…
「追い込め(オット)ゴロー! ゲイドーック!」 「委細承知(ヤァーレ)!」 エッボの声は剣ヶ峰の稜線からにわかに湧き立ち、ゴローの野太い山言葉がそれに応えた。すぐさま駆け出したゴローの姿は全躯に怒りをみなぎらせた猪を思わせ、その猛然たる殺気に…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。