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資材置場

いまだ作品の形にならぬ文章を一時保管する場です。

プロットの例

「最後の戦い」プロットの例 剣士がさびしい一人暮らしの中で死にかかっていた 病に倒れたのだ長くはもつまい 今日か、明日か……ああ、俺の人生は何だったのだ? 剣の腕をひたすら磨き しかし報われることもなく 名を為すこともできずに死んでいく 俺の一生は…

焦がし砂糖は甘くて苦い。 冒頭試し読み

"S.o.S.;The Origins' World Tale" EPISODE in 1313 #A10"Not Only Sweet..."/The Sword of Wish この胸のときめきは、船着広場の賑わいのせいでも、昼下がりの陽気のせいでもない。万年仏頂面のカジュでさえ、もう認めざるを得なかった。 ――ボク、テンショ…

黒鐵の乙女 2

患者、すなわち男爵令嬢クイッサは、塔の上に匿われていた。格子付きの重い扉に錠まで下ろされ、許しなくば寝床から起きる上がることさえできない、この状況を“匿う”と呼ぶのなら。 クイッサには、まるで生気がなかった。見知らぬ狩人たちが部屋に上がり込ん…

黒鐵の乙女(仮) 1

男爵令嬢の婚礼が先延ばしになったことは、ほとんど口端に上らなかった。手段を選ばぬ口止め工作が奏功したものとみえる。花嫁は療養の名目で家を追い出され、その行き先は誰にも知らされなかった。秘密は守られたのだ――鋼鉄の甲冑の如き堅牢さで。邪宗の秘…

ぬいぐるみ達とハゲ頭(ボツ原稿)

"S.o.S.;The Origins' World Tale"EPISODE in 1313 #A03"Stuffies and a Baldie"/The Sword of Wish 勇者の後始末人、“叩き潰す”ボーマン。 |三十二貫目《120kg》|六尺五寸《197cm》、その筋骨の隆々たること巌の如し。浅黒い肌はさながら鋼鉄、厳めしい禿…

刃の緋女 8

(状況が飛んでますが気にしないでください。ここまでのぶん大幅書き直ししますので、その続きからです) ずぶ濡れで、夜風に震え、疲れ果てた身体を引きずり、ようやく家に帰った時には、とうに夜半を過ぎていた。もう夜明けまでさほどの時間は残されていま…

刃の緋女 7

今や一国一城の主となったセコイヤ・コスイネンは、でっぷりと太った見苦しい身体を上下に弾ませながら、落ち着きなく屋敷の中をうろついていた。苛立ちを隠すことはできなかった。思い通りにことが運ばない。彼の類まれな力を持ってしても。 彼の旧主ボダク…

刃の緋女 6

夜は更け、細い月が中天にかかる。それでもまだ後始末人ヴィッシュの動きは止まらなかった。教区の端から端まで、あらゆるところを虱潰しに調べるつもりかもしれない――あまりにも闇雲な動きに、尾行者はそう推測したのだった。 その男は、獲物の後を付かず離…

刃の緋女 5 改訂版

それからヴィッシュは街中のいたるところを駆け回った――市場、教導院、貸倉庫、飯屋に飲み屋、果ては娼館に至るまで。それぞれで顔見知りを探し、何か密やかに言葉を交わしては、すぐさま次の場所へ飛んで行く。昼は風の如く過ぎ去って、夕暮れの息遣いが早…

刃の緋女 5

それからヴィッシュは街中のいたるところを駆け回った――市場、教導院、貸倉庫、飯屋に飲み屋、果ては娼館に至るまで。それぞれで顔見知りを探し、しばし密やかに言葉を交わしては、すぐさま次の場所へ飛んで行く。昼は風の如く過ぎ去り、夕暮れは一息に潰え…

刃の緋女 1〜4 修正版

"S.o.S.;The Origins' World Tale" EPISODE in 1313 #A09"Hime; the Edged"/The Sword of Wish 緋女の激怒は面に出ない、むしろ潮の引くように静まるのだ――ということを、ヴィッシュはその時初めて知った。 彼女の顔に貼り付く、仮面のごとく無機質な表情。…

刃の緋女 4

コバヤシの元を訪ねてみれば、彼は本業の酒屋に臨時休業の札を垂らして、ヴィッシュの出来(しゅつらい)を待っていた。緋女の災難について、耳聡くも噂を聞きつけたらしい。二三の手下を集め、いつでも動ける準備を整えてさえいる。ヴィッシュは奥の間に通…

刃の緋女 3

「治せないわけあるか、お前カジュだろっ!」 ヴィッシュは少女に詰め寄り、その小さな肩を力任せに掴みさえした。カジュには目を逸らすことしかできなかったというのに。 緋女が路上に倒れている――その知らせに、ヴィッシュはすぐさま駆けつけた。そこにい…

脳みそ使わずキャラづくり

次の項目それぞれについて、サイコロを降ってキャラクターの性質を決めてください。【立場】 1 男性 2 女性 3 ロボット 4 犬 5 竜 6 コガネムシ【年齢】 1 幼い 2 若い 3 青年 4 中年 5 老年 6 すでに死んでいる【欠落】 1 財産が失われた 2 能力が失われた …

刃の緋女 2

感情は炎の如きもの。燃え盛っているのは明らかでも、その形は常に揺らいでひとつの姿に留まらない。掴みどころなどあるはずもなく、それでいて、手を突っ込めば肌を痛烈に焼き焦がすのだ。 とりわけ緋女にとっては手に余る代物であっただろう。何しろ彼女は…

刃の緋女 1

"S.o.S.;The Origins' World Tale" EPISODE in 1313 #A09"Hime; the Edged"/The Sword of Wish 緋女の激怒は面に出ない、むしろ潮の引くように静まるのだ――ということを、ヴィッシュはその時初めて知った。 彼女の顔に貼り付く、仮面のごとく無機質な表情。…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/7

魔女の家に帰り着いた時には、もう夜半を過ぎていた。アルテマは速やかに旅支度を整えた――といって、財産は数えるほどもなかったが。魔女がくれた若かりし頃の服。これは姫の慎ましやかな乳房にぴったりと合っていた。大鬼ガリがくれた頭陀袋。外套の裏に吊…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/6

夕暮れを迎えたモンの街路は、煮え滾る鍋の中にすら似ていた。美しく舗装された大街道に、今夜ばかりは数え切れぬほどの屋台露店がひしめき合う。食い物ならば、脂滴る炙り肉、山と積まれた焼き菓子、駄菓子、飴玉の類に林檎の蜜漬け、揚げ魚。飲み物ならば…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/5

翌日の午前一杯、アルテマは周辺の木立の中をそぞろ歩きながら、これからの身のふりようについて考えを巡らせていた。無駄なことであったが。王都が、国が、どうなっているのか、この森の中からは何も分からぬ。ここはまるで母の子宮だ。何も持たず、何も知…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/4

「魔女様がた。そなたらの親切にはいくら感謝してもしたりぬ」 その日、囲炉裏を囲んでの夕餉の席で、唐突にアルテマはそう切り出した。ミエルは驚いて大きな目をもっと大きく見開いたが、魔女と大鬼は食事の手を止めはしなかった。骨付き鶏にかぶりつきなが…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/3

そこからの回復は目覚ましいものだった。朝夕にかけてもらう魔法が効いたのか、旨い食事が活力を呼び戻したのか、日を追うごとに痛みは軽くなった。2日目には会話と咀嚼が可能になり、3日目には手足が動かせるようになり、7日が過ぎた頃には足の骨折も――イン…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/2

老婆は魔女であった。驚くにはあたらぬ。このような森の奥に、大鬼小鬼に囲まれ暮らしているものが、魔女でなくてなんであろう。 老婆は自らをインバと名乗り、アルテマ姫に癒しの魔術を施してくれた。傷の上に――といっても、あらゆる所が傷であったが――手を…

プリンセスには、貌が無い 2.全き白の仮面/1

2. 全き白の仮面 枯れ草色の森の奥にはぽっかりと開けた原っぱがあり、そこに農家がふたつ並んでいた。 木造藁葺に荒い土壁の掘っ建て小屋。中は囲炉裏を囲む細長い土間ひとつきりで、それを衝立が緩やかに分割している。農村でも基礎や壁に石材を用いる建築…

プリンセスには、貌が無い 1.かくして姫は全てを喪った(2)

その日、王都では聖堂という聖堂から鐘の音が鳴り響き、片時も止むことがなかった。聖女トビアによるクレクオス王復活の奇跡、その故事に因んだ鐘だ。 快癒を願う無数の声にもかかわらず、ベンズバレン王ザナクの容態は悪化する一方であった。力なき群衆の祈…

プリンセスには、貌が無い 1.かくして姫は全てを喪った(1)

"S.o.S.;The Origins' World Tale"EPISODE in 1313 #A13"God Save the Princess!"/The Sword of Wish 1. かくして姫は全てを喪った 馬車は逃げた、森の悪路を。片時も休むわけにはいかぬ。背後には賊軍どもが迫っている。規律正しく名誉を重んじる上級騎士と…

プリンセスには、貌が無い 1-4

故にユーナミア王女は大慌てで身支度を整えねばならなかった。いささか煩わしいのは否めない。我から言い出したこととはいえ。 部屋に駆け込むなり姫は侍女たちを呼びつけた。7人総掛かりで服を着替える。優美なドレスは雑に脱ぎ捨て、飾り気のないゆったり…

プリンセスには、貌が無い 1-3

ベンズバレン軍急襲せりの報は物見の口から発せられるや瞬く間に知れ渡り、城内はさながら煮え滾る大鍋が如き狂騒に覆われた。貴族どもは大慌てで着慣れぬ甲冑を身に纏い、兵たちは混乱する指示に右往左往するばかり。場違いなドレス姿のユーナミア王女が作…

プリンセスには、貌が無い 1-2

ベンズバレン王ザナクは戦場を好み、将兵と辛苦を共にするを好んだ。若かりし頃は一介の下士官として、長じてよりは一軍の長として、数限りない戦を経験し、内外に勇猛を以って知られた。というのも彼は先王の第二子に過ぎず、上には知に優れた兄がいたのだ…

プリンセスには、貌が無い 改1-1

"S.o.S.;The Origins' World Tale" EPISODE in 1313 #A13"God Save the Princess!"/The Sword of Wish 今は昔、北の小邦に一対の仮面が伝わっていた。 いずれも額から目までを覆う半面で、ひとつは雪の純白、いまひとつは新月の黒。金属とも石ともつかぬ未知…

プリンセスには貌がない 1-1

今は昔、さる王宮にひとつの仮面が伝わっていた。 旧き戦乱の時代に何処かより略奪されたその宝物は、金属とも石ともつかぬ未知の素材でできていた。表面はのっぺりと滑らかで、触れてみれば指が凍えるほどに冷たい。およそ温もりを感じさせぬ曖昧な表情は、…

獣狩りの獣 2

「だいじょっ! ……ぇげっ。ぶ。だよ……。ぼっ。ごぼ。」 どう見ても大丈夫なわけがなかった。 3人連れ立っての山歩きも今朝で3日目を迎え、カジュの疲労はとうに限界を超えていた。目の下に浮き出た隈は普段の百万倍は色濃く、汗にまみれた全身は服のまま水浴…

獣狩りの獣 1

「追い込め(オット)ゴロー! ゲイドーック!」 「委細承知(ヤァーレ)!」 エッボの声は剣ヶ峰の稜線からにわかに湧き立ち、ゴローの野太い山言葉がそれに応えた。すぐさま駆け出したゴローの姿は全躯に怒りをみなぎらせた猪を思わせ、その猛然たる殺気に…

ザナリスの昏き竜姫 改 1-2

一時、ページを繰る手を止めて、彼は窓の光景に見入った。美しい、と思うことさえ忘れていた。日中には白亜の煌めきを見せた尖塔たちが、赤銅色の空に溶け込んでいく。その背後には忌々しくも壮大な高壁。そしてさらに向こう側、何処までも果てしなく広がる…

ザナリスの昏き竜姫 改 1-1

1 外(ウェイスト)からの少年 ――ついに盗んで来てしまった。あの娘を救い出すためのカギ。 レイは最前からベッドの脇にひざまずき、身をくの字に折って震えている。今になって猛烈な怯えとためらいが大量の脂汗もろとも襲ってきた。だが、もう遅い。彼はや…

ザナリスの昏き竜姫 1-6

* 僕らは走った。どこへ行くべきかも分からずに。とにかく逃げねばならない。外へ、鮫と魔杖兵の戦場から一歩でも遠くへ。だがさんざん通いなれたはずの教室棟は、混乱した僕らにとっては迷宮に等しい。あてもなく彷徨っているうちに、他のクラスメイトとは…

ザナリスの昏き竜姫 1-5

* 狂乱、という言葉は辞書で見た。平和と安寧の権化たるハチノスでは使いどころのない無駄な語彙だった。今日、この瞬間までは。 経験したことのない恐るべき振動が次々に教室を襲い、僕らは泣き叫んだ。逃げなければ! 本能がそう告げていた。僕は新たな知…

ザナリスの昏き竜姫 1-4

僕は小さく鼻を鳴らして、黒板の方に目を向けた。ちょうど先生がやってきたのも、不愉快な会話を打ち切るには好都合だ。無論、また一日、退屈極まりない平和な日常の始まりではあって、その意味では極めて不都合と言えたけれども…… * 1限、下位帝国語文法…

ザナリスの昏き竜姫 1-3

* ダンクレア委員長はいつもの如く、完璧に着こなした制服の上に、完璧に髪を後ろに撫で付けたおでこを乗っけて、完璧な仁王立ちでもって僕の前に立ち塞がった。ゆうに頭2つ分は身長差があるとはいえ、彼女に下から睨みつけられると僕はどういうわけかすく…

ザナリスの昏き竜姫 1-2

あの娘がここを訪れたのも、そんなある日のことだった。代わり映えしない退屈な朝。後の騒動の予感など一切感じさせない普段通りの起床ベルに、僕は叩き起こされたのだ―― * 詳しくは思い出せないが何か妙に不安な夢から覚めて、僕は漠然とした不快にしばら…

ザナリスの昏き竜姫 1-1

1 檻(ハチノス) ついに盗んで来てしまった。あの娘を救い出すためのカギ。 僕は最前からベッドの脇にひざまずき、身をくの字に折って震えている。今になって猛烈な怯えとためらいが大量の脂汗もろとも襲ってきた。だが、もう遅い。僕はやった。やってしま…

“犬は涙を流さない”2

ヴィッシュの心地よい目覚めは、予想だにしない闖入者によって知っちゃかめっちゃかに掻き乱された。彼は朝餉の仕度も忘れ、居間の椅子に沈み込み、目の前に鎮座した橙色の生き物をただただ見つめた。開いた口が塞がらない。緋女、この同居人の奇抜な振る舞…

“犬は涙を流さない”1

"S.o.S.;The Origins' World Tale" EPISODE in 1313 #A09"Hime: The Tearless Dog"/The Sword of Wish 雲海は月光のもとに浮き上がり、その悠然と波打つさまは上等の天鵞絨を思わせる。黒黒と空一面に横たわる天幕、雄大なること言語に絶す。その中にあって…

“ここへ、必ず”4

案の定。高速船が波を掻き分けるかのような音が聞こえ(船? 波? 砂漠で?)その者たちが姿を表した。黒き甲冑の騎士ども。しかし彼らがまたがるは、馬ならぬ、鮫。砂の中を自在に泳ぎ、砂漠に迷い込んだ獲物を食い荒らす、魔獣砂鮫(スナミヅチ)だ。 二騎…

“ここへ、必ず”3

ヴィッシュはふと、足を止めた。砂嵐と暗闇の向こう側に、人の声じみた音を聞いた気がしたのだ。 じっと耳をそばだてる。と、聞こえた。女の悲鳴。ついで男の怒号がいくつかと、ひときわ甲高い剣戟の響き。耳慣れた戦場の声だ。 ヴィッシュは吸い込まれるよ…

“ここへ、必ず”2

砂漠の夜はあまりに深い。ヴィッシュには、もうその闇が見通せぬ。 力尽きた馬を乗り捨て、砂の上を我が足で歩きだしてから、どれほどの時が過ぎたろう。容赦なく熱線を浴びせるあの忌々しい太陽は、やっと地平の下に没してくれた。とはいえその太陽さえ、荒…

“ここへ、必ず”

"S.o.S.;The Origins' World Tale" EPISODE in 1313 #A10"I'll be back"/The Sword of Wish「そうとも。 “時の澱み”は現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)の波打ち際。 叶うやもしれぬよ、お前の不遜な願いもね」 そう言って老婆は、痰の絡んだ嗤い声を挙げ…